NINJATOOLSを利用して2009年6月11日設置
聖者が深三昧(三身四智と言われる最も深い三昧)に入られた時、2500年の時を隔てたお釈迦様とご自身の間に唐の善導大師・法然上人様・(江戸末の念仏行者)徳本行者を三昧直観なさったと言います。この種の三昧においては時空の框を脱するので十方三世を当念に収める事が出来ると言うのですが、それぞれのご境涯は後世に断片的にしか伝わっておらずこれまで窺い知ることも難しかったのです。今、弁栄聖者がお遺し下さった膨大なご遺稿とそれを読み解く手がかりとなるお弟子の笹本戒浄上人様のご法話録によりその風光に接する事が出来るのは誠に有り難い事と存じます。中でも徳本行者のご伝記を拝見致しますとそのあまりにも壮絶なご修行の有り様に感動を覚えますが、その果てに三身四智と言われる最高度の仏眼を開いておられたのだと承っている私共には今に伝わっている徳本行者の様々なエピソードが決して荒唐無稽な作り話などではないとごく自然に受け取る事が出来るのです。徳本行者の読みやすいご伝記がございますのでご紹介して置きます。 改訂再版『徳本行者』著者:岡本鳳堂 発行者連絡先 〒644-0045和歌山県日高郡美浜町三尾382 仏教では万徳を備えておいでの如来様のお徳をお智慧として4つに分けそれを四大智慧と申します。普段あまり聞き慣れないかも知れませんが即ち大円鏡智・平等性智・妙観察智・成所作智の4つです。この四大智慧はそれぞれ一大観念態・一大理性・一切認識・一切感覚の本源であると聖者はしばしば述べておられます。この四智が万物に内存して自然界の主観客観の本源、万有の生成ならびに統一摂理の本源、造化の妙用の本源、感覚作用の本源となっているのであり人間の精神作用も実はこれが分に応じて顕現したのであると。お釈迦様は大哲人であると同時に大宗教家でいらした為仏教は哲学と宗教を兼ね備えていると言いますが、哲学本来の性質が分析・抽象である為これに属する宗旨では如来様の全お徳(四智)の中の何れかをとって当面の理想としている訳です。弁栄聖者はそこの所を例えば法相宗、天台宗は四大智慧の中の大円鏡智を、禅宗は平等性智を、華厳宗、真言宗などは妙観察智を、又浄土宗は成所作智をそれぞれ理想としていると整理して下さった上で、如来様の全人格を憧憬しつつ信念のよろしきを得て念仏三昧を通して一挙に全お徳を頂く道を新たにお説き下さったと承っております。聖者は如来様のことを『不識的精神態』と表現していらっしゃいますが、そこを人格的に拝み帰依していく所が宗教としての仏教の面目です。
私達が日頃何気なく使う「自業自得と」いうのも仏教用語ですが、これは実は『自作自受、他作他受』という一つの重要な法則の表現です。この「自」という所がなかなか難しいのですが、取り合えずはこれが真相であると仏教では申します。ところが教説によっては「他作自受」になっているものがある。例えば、浄土宗旧来の教えの根幹である法蔵菩薩の本願成就によって私達が救われるという説き方、或いはまたパウロの従って現在のキリスト教の教会の教えを支える贖罪の思想も実はそういう構造になっています。それらの信仰を支える教えをまさに信仰する所に宗教たる所以の一つがあると言うことは申せましょうけれども・・・。仏教では輪廻ということを申しますので私共はいわば「業」というお荷物の詰まったリックサックを背負って生まれ変わり死に変わりしている旅人のようなものと考えられます。仏教は決してただの人生論ではなく深くして深い世界観と連動した人生観を提示しているのです。
従来仏教は、キリスト教などの一神教に対して汎神教だと思われて参りました。所が弁栄聖者は初めて「超在一神的汎神教」という表現を使って宇宙に中心がありその中心を得れば全体を獲得する事が出来る理をお説き明かし下さいました。ですから光明主義では阿弥陀如来を一切の諸仏を統摂する本尊として仰ぎ帰依して「南無阿弥陀仏」と申します。ここが西方極楽浄土に在す阿弥陀如来様が諸仏の中の一仏に在すのとはっきり違う所です。仏身論としての詳細は別の機会にと存じますが、聖者は「自分は経典から演繹的に説くのではなく三昧体験の上から(自分が三昧直観した如来様の事実を)帰納的に説く」とおっしゃっておられます。その上で無量寿経嘆徳章の一節を真相に符合する表現が含まれているとしてご自身で新たに制定なさいました礼拝儀(光明主義の勤行式)の中にお採りになりました。宗教意識の発達の度合いから申しますと多神教より一神教、一神教より汎神教が発達していると言え、さらにその汎神教の先に超在一神的汎神教が考えられ、弁栄聖者は仏教がその「超在一神的汎神教」というべきものである旨お説き明かし下さった訳です。
地下鉄車内でロンダ・バーンというオーストラリアの女性の方が書かれた『ザ・シークレット』(角川書店)という話題の本(DVD)の広告を見かけました。世界で1000万部、日本で50万部突破のロングセラーとなっているそうですが貸して下さった方がありDVDを見たことがございます。その折、そのDVDの中で繰り返し繰り返し明かされている「引き寄せの法則」というのに酷似したことが笹本戒浄上人様のご法話にもある点に興味を覚えました。私達の知り得ていない事が実はたくさんあって、それはちょうど万有引力の法則が発見されようがされまいが引力はそのように働いているのと同じです。そして私達がたとえそれを掴み損ねようとも事の真相というのは厳然としてあるということを思わずにはいられません。戒浄上人様はまた「三昧定中においては思ったことがそのまま実現する。」という一つの重要な法則を私達にお説き明かし下さいました。卑近でわかりやすい例としては催眠実験の際、催眠術にかかった状態の人に熱い熱い焼け火箸を当てますよと言って冷たい(常温の)火箸を当てると実際にやけどしてしまうというと言った実験結果のお話がございます。因みにこれは最近の脳科学で言われることとも符合するように思われます。人間の脳の中でも(大脳皮質などが新しい脳であるのに対して)古い脳は単純なので深く思い込むとそのようになっていくのだそうです。仏教と脳科学が同じようなことを言っているのは興味深いですね。本日(7/26)は笹本戒浄上人様のご命日でした。 |
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